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実生を受け継ぎ、次世代へ

土田弘和さん

土田弘和さん

伊勢湾台風を契機に、副業から専業へ

伊藤サボテン園の委託先として、長年、春日井サボテンの育苗に携わってきた土田弘和さん。親しく近所付き合いをしていた伊藤サボテン園の伊藤龍次さんから、サボテンをやってみないかと打診され、果樹栽培のかたわらでサボテンを育てたのが始まりです。伊勢湾台風で果樹栽培が大打撃を受けたことで、それまで副業だったサボテンを主軸としていくことになりました。
平成28年(2016年)頃から親元である伊藤サボテン園の実生栽培を受け継ぎ、伊藤サボテン園の休耕ハウスも借りて、実生から育苗までを手がけています。

桃山地区がサボテン栽培の一大産地となった理由

「春日井がサボテンの産地として確立できたのは、価格を均一化したことが大きい」と、弘和さん。桃山地区で栽培するサボテンはどの品種でもサイズの大小に関わらず価格が均一でした。そのため、生産者は安心して栽培を続けることができ、業者も価格が安定しているため仕入れがしやすかったのです。
実生栽培をしていたおかげで品種が豊富だったこと、新種の開発を積極的に行っていたこと、日照不足解消のために温床線を導入したことなど、生産農家が研究熱心に改良を重ねてきたことも春日井サボテンの強みとなりました。

伊藤サボテン園の実生栽培を受け継いでいく

現在は、息子さんの手を借りながら実生栽培のサボテンと多肉植物、桃などを生産・出荷しています。桃の栽培は弘和さんが60歳になった年から新たに始め、20年ほど経った今では毎年夏に立派な実がなるそうです。「春日井サボテンをこれからも残していきたいけれど、後継者がいないと続かない。うちは息子が継いでいってくれると思うので、バトンタッチをする日までもう少し頑張ってやっていきたい」と、話してくれました。