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サボテンの魅力を広く発信

後藤容充さん(後藤サボテン)

祖父から父へと受け継がれたサボテン栽培

サボテンの鉢物の生産、販売を主に手がける後藤サボテン。春日井サボテン生産者の中で唯一、サボテンを一般向けにも販売しています。後藤サボテンの始まりは、後藤容充さんの祖父・武男さん。営んでいたりんご園が伊勢湾台風で壊滅状態となり、りんごに代わるものをと、サボテンの実生栽培をはじめました。
サボテン栽培に情熱を注ぐ祖父を見て育った父・伸治さんもサボテン栽培の道へ。伸治さんは台車設備や自動潅水(かんすい)装置を備えたハウスをつくり、輸出向けの接ぎ木を生産するなど事業を拡大していきました。

多くの人に観て、食べて、楽しんでほしい

昭和62年(1987年)に伸治さんが病により他界した後は、母・奈保子さんが鉢物の卸売、直売などを続けてきました。奈保子さんは家業を畳むことも考えましたが、息子たちの「父のサボテンを残したい」という願いを知り、続けることを決意したといいます。
平成21年(2009年)には次男の容充さんが後を継ぎ、これまでの卸売、直売に加えて、ネット販売や食用サボテンの栽培などにも力を入れてきました。楽天に出店しているネットショップでは、可愛らしいサボテンの寄せ植えなどがギフト需要で人気を集めています。

春日井サボテンをPRし、後世へつなげていく

後藤サボテンは小学校の校外学習の受け入れ、地域のイベントへの出店、食用サボテンを使った特産品の開発など、春日井サボテンの魅力を市内外に広めるための活動も精力的に行っています。
「春日井がサボテンの産地として成り立っているのは、これまで技術を確立してきた地元の生産者の方々のおかげです。継承者不足などで生産農家は減少していますが、ノウハウを継承していくためには、実生栽培が途切れない仕組みづくりや春日井サボテンの魅力を発信していくことが大切だと考えています」と、容充さん。これからの春日井サボテンを担う若手生産者として期待されています。